全国短歌大会

ごあいさつ

 本大会も早いもので第15回を迎えることができました。ひとえに,皆様のあたたかい御支援のお蔭です。厚く御礼申し上げます。
今後も,これまで同様,「塔」短歌会の御指導を仰ぎながら,大会を継続して参る所存です。この大会が,多くの児童・生徒が短歌に親しむ契機となることを願うとともに,さらには,この大会から,現代短歌の旗手が世に出ることを夢に描いています。多数の御参加をお待ちしております。
 なお,作品の応募締め切りは,令和4年7月22日(金)となっております。
 末筆ですが,貴校のますますの御繁栄をお祈り申し上げます。

校長 佐藤 隆吉 

 

応募方法 等

  応募期間 令和4年4月11日(月)~7月22日(金)

 ※ご不明な点については、本校担当者まで電話にてお問い合わせください。

 

過去大会の受賞作品

第14回全国短歌大会 高校生の部

中村憲吉
青春短歌賞
爆弾をみたことのない僕達はなにもしらずに目を背けてる
 神奈川県立厚木東高等学校 高3 森髙天太 さん

選評

戦争を見たことがないのに、目を背けている、という矛盾のような表現に、ハッとさせられる。無関心がさらに無関心を生み出すという現在の状況を、簡潔な言葉で捉えている歌で、私たちを深く考えさせる力をもっている。

白 帆 賞
じいちゃんの死ぬまでにやるベスト3孫と酒飲む2年が長い
 広島県立庄原格致高等学校 高3 曽利心菜 さん

選評

祖父が「死ぬまでにやりたいリスト」を作っているのだろう。作者は18歳で、酒を飲めるようになるまで、あと2年ある。それまで祖父は大丈夫だろうか、と案じる思いが素直なリズムで歌われていて、心温まる一首になっている。

櫟   賞
菊を買うもうあなたとの思い出が上書きされず散るだけだとは
 広島県立呉昭和高等学校 高3 三浦咲希 さん

選評

「菊を買う」なので、葬儀の場面なのだろう。亡くなった人との思い出は、もうこれ以上更新されないことを痛切に噛みしめ、その思い出も少しずつ消えていくのだろうと感じている。静かな中に、深い悲しみのにじむ歌である。

霧 海 賞
まだ少し冷えた四月の風に乗りあなたが会いにきてくれたらな
 広島県立呉昭和高等学校 高3 河村優歩 さん

選評

「きてくらたらな」という結句のつぶやくような口調が生きていて、そばにいない人を恋する思いが爽やかに伝わってくる。「まだ少し冷えた四月の風」という微妙な季節感もとても良く、不安と期待の入り混じった心を感じさせる。

巴 峡 賞
雲騒ぐ見上げた空の片隅に束ねた髪の重さ感じる
 広島県立賀茂高等学校 高1 田口緋芭 さん

選評

「雲騒ぐ」という表現がとてもいい。雨が降りそうな、風の強い空なのだろう。その空の下で自分の髪の重さを感じているところに、繊細な身体感覚が表れていて、印象的な歌となった。大きな世界の中で、小さな自分の存在の不安を感じているのかもしれない。

第14回全国短歌大会 小中学生の部

中村憲吉
青春短歌賞
汗滴る君のドリブル静まって私の思い伝えさせてよ
 広島市立安佐中学校 中3 吉川柚季 さん

選評

バスケットボールが激しく床に弾む音が聞こえてきそうな歌である。その音が大きすぎて、自分の気持ちを君に伝えられないという表現がおもしろい。恋の思いがまっすぐに歌われていて、多くの人の胸に響く一首なのではないか。「汗滴る」の描写も印象に残る。

白 帆 賞
寮の下君と繋がる空を見てたまには家に帰りたくなる
 広島県立広島叡智学園中学校 中2 山根蕗 さん

選評

寮で暮らしていて、なかなか家に帰れないのが切ない。「君と繋がる空」が、思いのこもった表現で、遠いところで同じ空の下で生きている君が恋しくなっている。全体に伸び伸びとした調子があり、親しみを感じる一首である。

櫟   賞
数学の入試問題解いてみるお願いだから止まって点P
 広島市立安佐中学校 中3 江﨑麻央 さん

選評

入試の練習で、数学のグラフの問題を解いているのだろう。なかなか解けなくて焦る気持ちが「お願いだから止まって点P」というユニークな表現から生き生きと伝わってくる。本番の入試では大丈夫なのだろうか、という不安も込み上げている。応援したくなる歌だ。

霧 海 賞
山菜の宝庫教えて入院す祖父が託した春の食卓
 広島県立三次中学校 中3 藤原千尋 さん

選評

山菜のとれる場所は、他の人にとられないよう秘密にしていることが多い。祖父は入院することになり、今まで言わなかった場所を教えてくれたのだろう。次の春は、もう祖父は山に行けないのだろうか、と寂しく思っている。祖父の存在感が伝わり、心に沁みる歌。

巴 峡 賞
ほたるがねとうちゃんのずぼんとまったぞなかなかにげないお気に入りだね
 庄原市立比和小学校 小2 垣内美咲 さん

選評

父といっしょに蛍を見に行ったときの様子が、目に見えるように歌われていて、驚きや嬉しさを、読者もともに味わうことができる。「とまったぞ」という言葉に勢いがあって、その瞬間が鮮やかによみがえってくる感じがする。

第13回全国短歌大会 高校生の部

中村憲吉
青春短歌賞
志望書は白紙のままであの夏の海までつながる砂浜のよう
 広島県立呉三津田高等学校 高2 坂田桃 さん

選評

志望書が書けずに、茫然としていると、将来のことにまだ悩んでいなかったころの夏の海の風景が思い出された。比喩が清新で、未来が決められない焦りや、過去を懐かしむ思いがいきいきと伝わってくる。

白 帆 賞
微笑んだ僅かに見える祖母の歯はもう二度と磨かれはしない
 広島県立呉三津田高等学校 高2 泉川晶 さん

選評

祖母は昏睡状態なのか、あるいは亡くなっているのだろう。もう二度と歯は磨かれない、という表現で、生命の終わりを端的にとらえている。わずかに見える歯が、読者にも鮮明に見えてくる感じがする。

櫟   賞
矢をつがえ息整えて的を見る的中音よどうか弾けて
 広島県立呉三津田高等学校 高1 木下咲和 さん

選評

弓道の試合だろう。的に当たったときの音が高らかに響くことを願って、矢を放つ一瞬。「どうか弾けて」という結句がとてもいい。「弾ける」という一語に、ずっと矢の音を聞いてきた人の実感がある。

霧 海 賞
『腹痛』と遅刻届けに書きました大きな空にみとれていた朝
 岡山県立玉島商業高等学校 高2 山本光咲 さん

選評

美しく大きな空を見ていて、つい遅刻してしまった朝。ちょっとした嘘をついてしまったけれど、慌ただしい日々の中で、ふんわりとした時間を過ごせたことを、楽しく思い出している。「書きました」という素直な口調が心に残る。

巴 峡 賞
カチカチと電卓の音鳴り響く私焦らすたくさんの指
 岡山県立玉島商業高等学校 高2 出宮朝香 さん

選評

電卓を使う試験なのだろう。いっせいに鳴り響く電卓の音に圧倒されて、不安になる様子がリアルに歌われている。結句で「指」に注目したところもおもしろい。たくさんの指が同じことをしている異様さも伝わってくる。

第13回全国短歌大会 小中学生の部

中村憲吉
青春短歌賞
ふみ切って赤いマットへ背を向ける高く跳びきり美しく反れ
 広島市立安佐中学校 中2 永井梨琴 さん

選評

走り高跳びの歌。跳んでいる瞬間の思いを、勢いのある言葉で歌っていて、読者の胸に響く一首。「赤いマット」の色彩感や、結句の「美しく反れ」の命令形の力強さに注目した。

白 帆 賞
自転車で右足深く踏み込めば湿った朝の春風を切る
 三次市立川地中学校 中2 山城陽 さん

選評

「右足深く」で、自転車を漕ぐときの実感がよく表れている。「湿った朝の春風」も、微妙な季節感をうまくとらえている。通学のときの歌だろう。今日という一日に向き合う、凛とした思いが伝わってくる。

櫟   賞
あかとんぼ急にとびたちすぐ静止どこへ行くのか私の未来
 広島市立祇園中学校 中3 津島玲杏 さん

選評

赤とんぼの動きをよく観察して、いきいきとした言葉で表現している。そこから、自分の未来の不確かさを思い、とまどう思いが、自然に導き出されている。「どこへ行くのか」という素直な言葉が、読者の心にも、すっと入ってくる。

霧 海 賞
たまごだけの所でひよこ生まれたら互いを親と思いこむのかな
 広島市立祇園中学校 中3 三谷柚奈 さん

選評

ひよこは、初めて見た動くものを、親と思い込む(「刷り込み」と呼ばれる)。そんな知識をもとに歌っているが、〈大人のいない世界〉を空想する思いが、背後にあるように感じる。互いに「親」である世界に、少しだけ憧れる心情があるのではないか。

巴 峡 賞
なつかしいふゆのふくみてびっくりだちいさいふくがいっぱいあるよ
 三次市立八次小学校 小3 沖川紗菜 さん

選評

去年着ていた自分の冬の服を、一年ぶりに取り出した場面だろう。この一年に、自分がずいぶん大きくなったことを知ったときの驚きと喜びが、「ちいさいふくがいっぱいあるよ」という素直な言葉から、まっすぐに響いてくる。

第12回全国短歌大会 高校生の部

中村憲吉
青春短歌賞
ファミレスで迷わず選ぶデザートのごとくはいかぬ進路決定
 広島県立呉三津田高等学校 高1 中山陽 さん

選評

比喩として、具体的な日常の場面を捉え、そこから、「進路決定」という意外なところに飛躍する発想が、とてもおもしろく、みずみずしい。「ごとくはいかぬ」という硬い文語表現も効果的で、人生の岐路で無器用に悩む思いが伝わってくる。

白 帆 賞
書く度に鉛の私は削られる今この時も死に近づいてる
 広島県立呉三津田高等学校 高1 田村拓己 さん

選評

毎日の学習の中で使う鉛筆に、「私」を重ねて歌っているところが新鮮だ。死を詠んだ歌は全体にあまり多くないが、若い日々にも、死について考えることは多いはず。不安や怖れを、素直に歌っているところに共感する。

櫟   賞
駅でふと君が来るかもと立ち止まる汽笛は雨にうたれて消えた
 広島県立庄原格致高等学校 高3 村木莉加 さん

選評

偶然に出会うことを期待する恋の思いが、素直に歌われている。下の句の「汽笛は雨にうたれて消えた」という表現がすばらしく、美しく哀しい一首になった。結局会えなかった落胆が、読者の心にも沁みてくるのである。

霧 海 賞
あなたには気づかれぬよう影の手を重ね合わせて握る夏の日
 広島県立呉三津田高等学校 高2 江郷莉乃 さん

選評

現実には手を触れられないから、影の手を重ね合わせる、という行為が切ない。空想の中で、ぎゅっと「握る」感じが、よく表れている。最後に置かれた「夏の日」という言葉から、地面の黒く濃い影が目に浮かぶ。

巴 峡 賞
商店街七夕仕様色あふれかめんらいだーなれるといいね
 広島県立尾道東高等学校 高1 沖昂信 さん

選評

商店街の七夕の笹に、「かめんらいだーになりたい」という平仮名の短冊を見つけたのだろう。幼い子どもの言葉に触れて、自分の中にも優しい思いが自然に湧き上がってきたのだ。「なれるといいね」という結句に、あたたかな思いがにじんでいる。

第12回全国短歌大会 小中学生の部

中村憲吉
青春短歌賞
海沿いをじっとり濡れたサンダルで彼の歩幅はいつも大きく
 三次市立布野中学校 中2 佐藤花 さん

選評

彼のサンダルを見ているのだが、「じっとり濡れた」と描くことで、自分の足も濡れているような感覚が生まれている。海辺を二人で歩くとき、彼と自分と同じ世界に生きている喜びが湧き上がってきたのではないか。とても豊かな表現力を感じさせる一首だ。

白 帆 賞
林には春の朝日が差し込みて楤の木の先薄緑色
 広島市立大塚中学校 中2 村川優菜 さん

選評

自然を丁寧に描いた歌は、若い人の作品には珍しく、注目した。楤(タラ)の木は、春になると木の先に新芽をつける。天ぷらなどにするととてもおいしい。作者も、楤の芽を探しに、林に入っているのだろう。「薄緑色」から、芽を見つけた嬉しさが伝わってくる。

櫟   賞
炎天下いろんな声が混ざりあう見上げた空は青でできてた
 福山市立中央中学校 中3 山本歩果 さん

選評

夏休みに、いろいろな部活動の声が響いているのかもしれない。そんなとき、ふと見上げると、人間の世界とはまったく別次元に、青い空が存在していることに気づいたのだ。「青でできてた」という結句がとてもいい。空の青さへの新鮮な驚きが、ここにある。

 

霧 海 賞
幼き日見えてたアリは今見えぬ伸びた背丈がじゃまをして
 広島市立大塚中学校 中2 内園陽春 さん

選評

成長することで、逆に失うものがある。幼いころはじっと見ていたアリなのに、今は見ることもない。忙しい毎日に追われているからでもあろう。でも、背丈のせいにしているところが、この歌のおもしろさだ。下の句は破調だが、そこに悔しさもこめられている。

巴 峡 賞
卵焼きそっとそっと巻いていくきれいな断面想像しながら
 三次市立川地中学校 中3 兼石蒼生 さん

選評

卵焼きを作る様子が、いきいきと描かれていて、巻いている手の動きまでも見えてくるような歌である。「そっとそっと」は字足らず(七音のところが六音)だが、そのリズムが、慎重に巻いている様子をうまく表している。「断面」という言葉もよく効いている。

第11回全国短歌大会 高校生の部

中村憲吉
青春短歌賞
夕焼けの教室に浮く君の影 影の世界ならふれているのに
 広島県立呉昭和高等学校 高2 松見綾乃 さん

選評

「君の影」には触れているけれど、実体の「君」には触れることができない。「影の世界」という発想がユニークで、片恋の切ない思いを絵画的にとらえていて、とても印象に残った。「浮く」という言葉も効いていて、立体的に影が見えてくる。

白 帆 賞
カリカリとみんなのペンが走り出す後ろで木々もざわめいている
 広島県立呉昭和高等学校 高3 平石夏都 さん

選評

試験の始まりを、音によって臨場感豊かにとらえている。「ペンが走り出す」から、焦りのような思いも伝わってくる。後ろから聞こえてくる木々の音を描いているのもとてもよく、教室から校庭への空間の広がりを感じさせる。

櫟   賞
祭りの日砕けて消えろりんご飴夏の約束あれはうそっぱち
 福岡県立修猷館高等学校 高3 瀨口愛奈 さん

選評

「砕けて消えろ」「あれはうそっぱち」という言葉に、いらだちのエネルギーがこもっていて、ひきこまれる歌である。夏に、祭りにいこうと約束していたのに、行けなくなってしまったのだろうか。約束が破れてしまった悲しみが、せつせつと響いてくる。

霧 海 賞
夕焼けを卵でとじた卵ごはんあなたの当たり前になりたい
 広島県立西城紫水高等学校 高3 中村蓮弥 さん

選評

夕焼けが卵ごはんに映っているのだろうか。「夕焼けを卵でとじた」が大胆でおもしろい表現である。この日は特別に、「あなた」と卵ごはんを食べることができたのだろう。「当たり前」のように、いつも一緒に食べられたら、と願っている。みずみずしい恋の歌である。

巴 峡 賞
カレンダーめくる右手の手の甲に昨日のメモがかすかに残る
 広島県立尾道東高等学校 高2 村上唯人 さん

選評

細かいところをよく見て歌っていて、何でもない場面だけれど、不思議に心に残る一首である。昨日のメモとカレンダー。さまざまなことをしながら一日一日が過ぎてゆく寂しさもあるし、「手」を見つめることで、自分の生活を確かめているようなところもある。

第11回全国短歌大会 小中学生の部

中村憲吉
青春短歌賞
白い雲時間がよこにながれてくぼくの時間は上に伸びてく
 広島市立祇園中学校 中1 福田知真 さん

選評

「ぼくの時間は上に伸びてく」は、身長が高くなっていくことをあらわしているのだろう。発想がとても自由でおもしろく、時間とは生きて動いていることなのだ、と改めて教えられる。縦と横に、世界が大きく広がっている感じがする。

白 帆 賞
ひらひらとぼくたちの手をよけていく桜の花びらおにごっこ上手
 庄原市立口北小学校 小6 柳川智樹 さん

選評

なかなか手でつかむことができない桜の花びらを、「おにごっこ上手」と歌ったところが、とても新鮮で、春が来た喜びがいきいきと伝わってくる。全体にリズムがよく、まさにおにごっこをしているときのような楽しさがある。

櫟   賞
図書室でひとりぼっちの本もある読んであげるとよろこぶだろう
 庄原市立比和小学校 小4 菅𠩤友乃 さん

選評

みんなが借りる人気のある本だけでなく、ぽつんと置かれているような本もある。そんな本への愛情がすなおに歌われていて、心に残る一首。本も、読まれることを待っているのだろうなあ、と私たちも優しい気持ちになる。

霧 海 賞
じいちゃんはベッドの上で外を見るベッドを見れば猫が寝ていた
 府中市立第一中学校 中2 出原晴 さん

選評

おじいちゃんが猫になってしまったような、不思議な感じのする歌だ。おじいちゃんの横に猫も寝ているのかもしれないが……。もしかしたらおじいちゃんは病気で、つまらなそうに外を見ているのか。いろいろと考えさせられる魅力的な歌だ。こんな歌もいい。

巴 峡 賞
窓際の席を照らす太陽はこんなにさみしい光だったか
 呉市立郷原中学校 中2 橋口花音 さん

選評

窓際にいた誰かが、今はいなくなっているのだろう。人がいたときには明るく見えていた光が、とてもむなしく感じられる。いなくなったときに初めて、存在の温かさに気づくことがある。悲しみが、静かな言葉で歌われていて、読む人の胸に響いてゆく。

第10回全国短歌大会 高校生の部

中村憲吉
青春短歌賞
満月も月から見れば満地球君に私はどう見えてるの
 福岡県立修猷館高等学校 高3 雪吉千春 さん
白 帆 賞
夕焼けが沈むと消える人の影わたしは聞くよ海の泣く音
 広島県立吉田高等学校 高2 松本大弥 さん
櫟   賞
僕は君の思っているような奴じゃないカラッカラな穴のあいたバケツ
 広島県立安芸高等学校 高2 岩本璃央 さん
霧 海 賞
雨の日の重たい空気に包まれて俯き踏んだ小さな湖
 広島県立三次高等学校 高2 品川未帆 さん
巴 峡 賞
白い羽根打つたび空を舞ってゆくこれは私が強くなった証
 広島県立呉三津田高等学校 高2 松尾弥依 さん

第10回全国短歌大会 小中学生の部

中村憲吉
青春短歌賞
雨降りが見つけてくれたアジサイに固い表情ゆっくりゆるむ
 広島市立東原中学校 中2 堀太護 さん
白 帆 賞
空と海夕日が二つあるみたい二つが同時に姿を消して
 庄原市立比和中学校 中1 永田遥 さん
櫟   賞
夏の雨朝顔の葉にしずくのり今日は笑顔を見せないよ君
 広島市立大州中学校 中2 中家芽依 さん
霧 海 賞
オニヤンマ空中飛んでぼくたちをにじ色の目でながめているよ
 三次市立作木小学校 小6 中下瑞稀 さん
巴 峡 賞
納豆をおいしくなれとかきまぜるそしたら入れ物はしであなあく
 庄原市立口北小学校 小5 西本煌哉 さん

第9回全国短歌大会 高校生の部

中村憲吉
青春短歌賞
この頰をやさしくなでた春風はどこまで旅を続けるのだろう
 広島県立呉三津田高等学校 高1 細井彩華 さん
白 帆 賞
友達と自転車並べる帰り道今日という名の夕日が沈む
 広島県立三次高等学校 高1 金﨑智宏 さん
櫟   賞
本棚の冊数数えて眠る夜今日の夢では世界を救った
 広島県立尾道東高等学校 高2 岡本涼花 さん
霧 海 賞
夜の雲次から次へとやって来て見えかくれする木星金星
 広島県立安古市高等学校 高1 米本晴香 さん
巴 峡 賞
鳴らないで最後の拍手鳴らないでまだこの場所で吹いていたいから
 広島県立呉三津田高等学校 高2 今泉菜々子 さん

第9回全国短歌大会 小中学生の部

中村憲吉
青春短歌賞
くれないは空を染めて君も染め光すべてで町つつみこむ
 三次市立三次中学校 中2 宗久真穂 さん
白 帆 賞
走るときみんなは風を敵にするぼくは風を味方につける
 庄原市立口北小学校 小6 法蘓融大 さん
櫟   賞
ふうりんに暑い日ざしがさしこんで絵柄が床に濃く映る午後
 広島市立祇園中学校 中2 中野弥映 さん
霧 海 賞
君は言う「空を見るのが好きなんだ」その言葉で私も空を見る
 三次市立三次中学校 中2 荒牧美麗 さん
巴 峡 賞
うちのぶたいっぱいおしっこするんだよわたしにかかりそうぎりぎりせえふ
 庄原市立口北小学校 小1 日野光咲 さん

第8回全国短歌大会 高校生の部

中村憲吉
青春短歌賞
文字の海を切り分け開く一ページ長安の町を李白と歩く
 広島県立三次青陵高等学校 高3 秋山拓哉 さん
白 帆 賞
話すたび白い吐息があがってく君といるたび知るあたたかさ
 広島県立五日市高等学校 高3 上田真梨子 さん
櫟   賞
この曲に君を重ねて聞きはじめいくどおしたかリピートボタン
 広島県立安芸高等学校 高3 安田夏生 さん
霧 海 賞
いつもよりゆっくり歩くまだ固い教科書詰めたカバンを持って
 広島県立三次高等学校 高2 吉友美香 さん
巴 峡 賞
向日葵の花囲みをる天文台 はるか彼方に彗星はゆく
 広島県立広島高等学校 高1 材木朱夏 さん

第8回全国短歌大会 小中学生の部

中村憲吉
青春短歌賞
友だちのソックスめくって笑いあう茶色と白にくっきり分かれる
 広島市立祇園中学校 中2 土本優太 さん
白 帆 賞
ざりがにはだっそう名人またにげた見つけた見つけた長ぐつの中
 庄原市立東小学校 小2 みようが大 さん
櫟   賞
雨雲の漂う空に飛んでいる鳥がむかうは晴れたあの場所
 庄原市立比和中学校 中3 永岡和喜 さん
霧 海 賞
夏祭り誰と行こうか迷ってる君と行くことしか頭にないのに
 三次市立十日市中学校 中1 掛 唯 さん
巴 峡 賞
かあさんとせんたくたたむふたりきりおひさまのねつまだあったかい
 庄原市立比和小学校 小1 保井來美 さん